ストレスケア
2020.8.10
【便秘とストレスの関係】便秘を解消するにはストレスケアは必須!
食事内容も気をつけて、カラダを動かす事も意識しているのに、一向に便秘が解消されない。そんな悩みを抱えていませんか?でも、もしかしたらそれはストレスが関係しているかもしれません。
寝不足や人間関係、さらにダイエットなどのストレスによって交感神経が優位になり、腸が緊張状態になってしまうと、便が出にくくなってしまいます。また便秘と下痢を繰り返す場合もあるため、便秘を解消する上でストレスケアは重要なんですね。
今回は、ストレスによってなぜ便秘になってしまうのか?その理由とメカニズム、そして交感神経と副交感神経の関係と、便秘を解消するためのストレスケアについてもお伝えしたいと思います。
目次
便秘解消とストレスの関係は?そのメカニズムを解明
便秘の症状は、便意の我慢による便排出障害型と、腸管の動きが衰えることによる大腸通過遅延型、そして腸管の動きは正常なのに便がうまく押し出せない大腸通過時間正常型の、大きく3つに分けられます。
そしてこの中で、ストレスが大きな原因となっている便秘の症状は、大腸通過遅延型と考えられています。
ここでは、ストレスで便秘になる理由とメカニズム、そして自律神経と副交感神経の関係と、ストレスによる便秘を解消する上での注意点についてお伝えしていきます。
ストレスを溜めると便秘になる理由とメカニズム
「腸」と「脳」は、脳腸相関という関係によって、密接な繋がりがあります。脳が過度なストレスや緊張を感知すると、自律神経を介して腸に刺激を与え、腸の一部を痙攣させてしまいます。すると便がうまく運ばれなくなり、便が腸菅に水分をどんどん吸収されてしまうため、コロコロの硬い形状になり、便秘になってしまうわけですね。
また、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスも重要です。脳に過度なストレスや緊張を抱えた状態が続くと、交感神経が優位の状態になります。しかし、腸の活動は副交感神経が優位の時に活発に動くため、ストレスを抱え、交感神経が優位の状態が続くと、腸管の動き(蠕動運動)が抑制され、便秘に繋がります。
つまり、過度なストレスや緊張によって、腸の一部が痙攣する事で便がうまく運ばれずに便秘になる事もあれば、ストレスで自律神経のバランスが乱れ、交感神経が優位の状態が続く事で、腸管の動きが抑制され、便秘に繋がってしまう場合もあるわけですね。
ストレスによる食欲不振や寝不足も便秘が解消できない原因
ストレスが関係して便秘が解消できない理由は、上記のメカニズム以外にも、そのストレスによる食欲不振や食べ過ぎ、そして寝不足なども考えられます。
食欲不振になれば食事の量が減ってしまうので、それに伴って食物繊維の摂取量や、その他の栄養素の摂取量も減り、結果的に栄養が不足してしまうので、便秘になってしまう可能性が高いです。さらに、便秘で腸内に便が溜まることで、胃の中に未消化物が残ってしまい、さらに食欲不振になってしまう悪循環になる危険性もあります。
そしてストレスは、睡眠の質とも深い関係があります。ストレスや不安を抱えている時は、なかなか寝つけなかったり、夜中に目が覚めてしまう事も珍しくありません。しかし、寝不足になり睡眠の質が下がると、交感神経が優位になりやすく、腸管の動きが抑制されてしまうため、うまく便が運ばれません。
そのため便秘を解消するには、睡眠中にも副交感神経を優位にするために、ストレスを過剰に溜め込まず質の良い睡眠を確保する事が大切なんですね。
ダイエット中に便秘になるのはストレスも関係している
便秘のご相談をして頂く中で多いのが、ダイエットを行なっている方です。特に食事制限を中心にしたダイエットは、栄養が極端に偏ってしまう事が多いため、結果的に食物繊維や脂質などが不足し、便秘になってしまうわけですね。
そしてさらに、栄養の偏りだけでなく、ダイエットによるストレスも便秘の原因になる可能性があります。食べることを無理に我慢したり、体重が思い通りに減らないとストレスが溜まってしまうため、腸管の一部が痙攣したり、腸の動きが抑制されてしまいます。
そのため、食事の極端な制限など、ストレスが溜まらないダイエットを行なって、その上で栄養の十分な摂取や適度な運動なども実践する事で、便秘解消とダイエットを両立する事ができます。
便秘解消とストレス、過敏性腸症候群の関係
身体的・精神的ストレスが過剰に溜まってしまうと、腸が緊張状態になり、便がうまく運ばれず便秘になってしまいますが、その便秘の症状を含む腸の病気として、過敏性腸症候群(以下IBS)が挙げられます。
ここでは、IBSの原因やその症状、そしてその診断基準や、IBSを改善して便秘を解消する方法についてお伝えしていきます。
過敏性腸症候群(IBS)とは?ストレスと便秘との関係
IBSの特徴としては、便秘だけでなく、下痢や腹痛などの症状も繰り返される事です。IBSはレントゲンや便の検査では異常が認められず、実は、明らかな原因は未だに判明していません。しかし、過度なストレスを受ける事で、腸管の動きに異常をきたしている事が原因になっている可能性が高いため、ストレスが大きく関係していると考えられています。
また、IBSかどうかを見極めるその診断基準としては、現在は、2006年に作成されたRomeIII基準が用いられており、その中でIBSは、「腹痛あるいは腹部不快感が、最近3ヶ月の中の1ヶ月につき少なくとも3日以上は生じ、その腹痛あるいは腹部不快感が、(1)排便によって軽快する、(2)排便頻度の変化で始まる、(3)便形状(外観)の変化で始まる、の3つのうち2つ以上を満たすもの」と定義されています。(“過敏性腸症候群”.総合医科学研究所)
腹痛あるいは腹部不快感という腹部症状が重視される点が特徴で、その症状が排便の変化や便の形状の変化によって、悪化したり改善したりする場合は、IBSを発症している可能性がある。という事ですね。
過敏性腸症候群(IBS)の改善法
IBSの便通異常によって便秘や下痢の症状が繰り返される場合でも、通常のストレス性の便秘を解消する時と同じように、やはりストレスを溜め込まない生活習慣がもっとも重要になります。
そのため、まずは自分のストレスの原因になっている要素を特定する事が大切ですが、基本的には、寝不足にならないように十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を上げること、そして食べ過ぎを防ぎ、脂肪分の多い食事を避けて、栄養のバランスを整えることなどは有効です。
また、転職をすることも、IBSを改善するひとつの手段かもしれません。というのも、仕事の人間関係などから、ストレスが過剰に溜まってしまう場合が非常に多いです。でも、カラダの健康は、人生において最も大切なモノの1つだと思います。そのため、もし今の仕事によるストレスが我慢できない状態であれば、転職も考えてみましょう。
ストレスと便秘の関係を利用して便秘を解消する方法
ストレスが便秘に大きく関係している事や、そのメカニズムはご理解いただけたと思います。そのため、便秘を解消するにはストレスを過剰に溜め込まない事や、ストレスを過度に感じないような生活を過ごすことが重要です。とは言え、生活をしていれば、ストレスは必ず少しずつ蓄積されてしまいますよね。
そこでここでは、便秘を解消するために、どのようにストレスと向き合っていけば良いのか、その具体的なストレスケアの方法をお伝えしていきます。
交感神経と副交感神経の関係を理解し、そのバランスをうまく整えて便秘を改善していきましょう!
便秘にはストレスが関係していると理解する
まず大切なことは、「自分の便秘やお腹の張りなどの症状が、ストレスや緊張からきている可能性がある」と理解し、認めることです。
自分にはストレスが溜まっていないと思っていても、その想像以上に、ストレスは蓄積されているものなんですね。
もちろん、「この便秘にはストレスが関係している」と理解するだけで、おおもとの原因であるストレスが緩和されるわけではありません。
しかし、もし、ストレスが大きな原因となり、便秘や腹痛などの症状が出ている場合に、ストレスが原因ではないと思い、食事の改善やマッサージなどを行っても、便秘の根本的な原因が解決しないので、便秘は解消できませんよね。
そのためまずは、「自分の便秘にはストレスが関係している可能性がある」と納得し、その上で、食事面の見直しや、自分のストレスの原因はどこにあるのかを探していく事が大切です。
睡眠や運動などストレスケアをして便秘を解消する
ストレスを感じる原因は人それぞれですが、便秘を解消するためのストレスケアとして、睡眠の質と適度な運動は重要です。
睡眠に関しては上記でもお伝えした通り、睡眠中の腸管の動きを活発にするためには、副交感神経を優位にする必要があります。しかし睡眠の質が低くなると、交感神経が優位になってしまうため、睡眠の質を高めて副交感神経を優位にし、睡眠中の腸管の働きを活発にすることが大切です
また、寝不足になると、日中の自律神経のバランスが乱れ、普段よりストレスを感じやすい状態になってしまいます。そのため、睡眠時間は7~8時間を目安に確保するようにしましょう。
また、運動をする事は、カラダの血流を良くして、腸管の便を押し出す動き(蠕動運動)を活発にするためにも大切ですが、ストレス(メンタル面)にも大きく影響を与えることが証明されています。
運動をする事で、セロトニンやエンドルフィンといったホルモンが分泌され、これらにはリラックス効果や、不安を感じにくくする効果、そして精神を安定させる効果などがあるんですね。軽くカラダを動かすだけでも、それらのホルモンは分泌されるので、まずは1日5分だけでも運動する時間を作りましょう。
便秘解消には一時的に薬を飲むのも一つの手段
ストレスケアの一環として、便を柔らかくする作用のある便秘薬を飲むこともひとつの手段です。残便感やお腹の張りなどの症状があっても、便秘薬を飲むことを我慢している方も多くいらっしゃいますが、その便秘によるストレスが溜まる事で、食欲不振や食べ過ぎなどをしてしまうと、さらに便秘が悪化してしまう悪循環になりかねません。
そのため、まずはストレスケアの一環として便秘薬を一時的に服用し、便秘によるストレスをうまく緩和する事が大切です。そしてその上で、食事の見直しや、マッサージ、運動などを行う事で、便秘薬を使わずに便秘を解消し、自然とスッキリした便通がある状態を目指していきましょう。
まとめ
今回は、便秘とストレスの関係、ストレスが溜まるとなぜ便秘が解消できないのか?そのメカニズムと解決策についてお伝えしました。交感神経と副交感神経のそれぞれが腸に及ぼす影響も、ご理解いただけたでしょうか?
ストレスは、仕事や生活を通して、少しずつ蓄積されてしまうものです。もし仕事のストレスが便秘の根本的な原因になっている場合は、転職を考える事もひとつの手段だと思いますし、寝不足や食べ過ぎなどが頻繁になっていないか?生活習慣を見直すことももちろん大切です。
何より、ストレスケアの方法は人それぞれだと思いますので、自分に合った方法でストレスを適度に発散し、便秘を根本的に解消していきましょう!
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宮崎伸之輔
宮崎 伸之輔
プロフィール
オンライン上で「毎日1回便意が来るカラダを作る」をコンセプトに、「食事」「トレーニング・マッサージ」「ストレスケア」の3点を、お客様1人1人に合わせてオーダーメイドで作成し徹底的にサポートする事で、便秘を根本的に解決する専門家として活動している。
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