食べ物
2020.7.3
便秘解消と美容に効果あり!腸を活性化する長芋の食べ方と簡単料理
長芋は、そのまま切って食べればシャキシャキ、すり下ろしてとろろにするとネバネバした食感が楽しめ、健康に良い食材として有名ですよね。山芋の一種である長芋ですが、食物繊維の量は飛び抜けて多くはないものの、「レジスタントスターチ」と呼ばれる成分が、便秘解消に効果があるとして注目されているんですね。
また、便秘解消だけでなく、肌の健康を保つなど美容面にも効果があり、100g当たり65キロカロリーと低カロリーのため、ダイエットにも効果的な食材なんです!
そこで今回は、長芋の便秘解消効果や、腸を活性化させるための食べ方や料理についても詳しくお伝えしたいと思います!
目次
長芋(山芋)の便秘解消に効果的な栄養素について
長芋やいちょう芋などの山芋は、栄養価が高く健康に良い食材として知られていますよね!そして、長芋の中に含まれている「レジスタントスターチ」という成分が、便秘解消に特に効果的だとして注目を集めているんです。そこでまずは、「レジスタントスターチ」に具体的にどんな効果があるのかをお伝えしたいと思います!
そもそもレジスタントスターチとは?
もう既に、レジスタントスターチという言葉を聞いたことがある方もいるかも知れません。レジスタントスターチは、別名「難消化性デンプン」」と呼ばれていて、文字通り胃の中で消化されにくく、そのまま大腸まで届くデンプンの事なんですね。
おもに、米や豆類、イモ類、バナナなどの果物と、でんぷんを含む食材のほとんどに含まれています。
そして最近では、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維につぐ、「第3の食物繊維」とも呼ばれていて、便秘解消をする上で欠かせない特性があるんですね!
便秘解消のカギはレジスタントスターチ!
前述した通り、食物繊維には海藻類などに多く含まれる「水溶性食物繊維」と、バナナや根菜類に含まれる「不溶性食物繊維」の2種類があります。
不溶性食物繊維には便の体積をます作用があり、水溶性食物繊維には便を柔らかくしてくれる作用があるため、便秘解消を実現するには、それぞれの食物繊維をバランスよく取り入れることが重要ですが「レジスタントスターチ」には、その2種類の食物繊維の効果が含まれているんです!
つまり、「レジスタントスターチ」を含む長芋を食べれば、「水溶性食物繊維」を含む海藻類と、「不溶性食物繊維」を含むバナナなどの果物を、同時に食べたのと同等の効果を得ることが出来るため、便秘解消に効果的なんですね。
便秘で腸の中に悪玉菌が増えると、腸にガスが溜まったり、肌に吹き出物が出たりなど肌のトラブルも多くなってしまい健康にも悪影響です。そのため便秘解消だけでなく、美容面も考えて、普段の料理の中に積極的に長芋を取り入れていきましょう!
レジスタントスターチの便秘解消効果についての実験
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の効果を持っている「レジスタントスターチ」ですが、実際に便秘解消に効果があるのか?を検証するために、次のような実験が行われました。
「長年便秘に悩まされてきた12名の方に協力して頂き、レジスタントスターチを多く含む長芋を、いつもの食事に追加して毎日100グラムずつ食べてもらい、1週間普段通りに生活してもらう」
という実験です。
そして1週間後、毎日100グラムの長芋を食べ続けた被験者の変化を伺ったところ、なんと12人中8人に便の回数が増える、便の状態が良くなったなど、明らかな便秘解消効果が見られました!
1週間の短期間ということもあったため、全員に効果は見られませんでしたが、中には実験前は1週間に2回の便通だったのが、実験後には1週間に5回に増えるなど、顕著な違いが表れた方もいたんですね。
今回の実験から、レジスタントスターチを含んでいる長芋には、便秘解消の効果が期待できることがわかりますね!
長芋(山芋)の便秘解消の効果を高める食べ方とは?
「レジスタントスターチ」を豊富に含む長芋は、便秘解消に効果的だという事がわかったと思います!しかし、長芋の食べ方に気をつけないと、その便秘を解消する効果が半減してしまう事もわかっているのです。そこで次は、長芋の便秘解消効果を高める食べ方を見ていきましょう。
ポイントは「生」で食べること!
先に結論を言うと、長芋を「生」で食べる事で、便秘解消効果は最大まで高くなるのです!というのも、長芋と同じく「レジスタントスターチ」を豊富に含むかんしょ(さつまいも)を使用した、次のような実験が行われました。
実験の内容は、「かんしょ(さつまいも)を、電子レンジ、蒸す、茹でるの3種類の加熱調理法に分け、それぞれを生の状態の「レジスタントスターチ」の量と比較する」というものです。
そして実験の結果から、「生のかんしょのレジスタントスターチ量が一番高く、次に蒸し加熱、ゆで加熱、そして電子レンジ加熱後のレジスタントスターチ量の順に低くなった。」ということがわかったのです!(“かんしょの加熱調理法の違いによるレジスタントスターチ量の変化”.亀井 文 2017)
つまり、レジスタントスターチは加熱に弱いため、長芋を食べる時は出来るだけ「生」で食べるようにすると良いですね。
とろろは厳禁!すり下ろすと便秘解消効果が減少する
前述で、長芋を「生」で食べる事で、レジスタントスターチの効果を高める事が出来るとお伝えしましたが、実は長芋は、「形を残したまま食べる」という事も大切なのです!
長芋の調理方法について、「とろろにした場合と、半月切りにした場合のどちらの方がレジスタントスターチ量が多いか」という実験が行われました。
そして実験の結果、次のような事が分かったのです。
「生の長芋のRS量は半月切りが33.54%、すりおろしが20.21%であった。」(※RS=レジスタントスターチ)
(“長芋の調理形態と加熱処理温度によるレジスタントスターチ量の変化”.日本調理科学会)
すりおろした長芋よりも、半月切りのようにただ切っただけの方が、「約1.66倍」もレジスタントスターチの量が多い事がわかりますね!
便秘解消を実現するために必要な長芋(山芋)の1日の摂取量
長芋は、「生」で「そのままの形で食べる」ことで、レジスタントスターチの効果を最大限得る事が出来るとわかったと思います。そんな便秘解消に効果的な長芋ですが、1日にどのくらいの量を食べれば良いのでしょうか?
便秘を解消したいなら1日に100g(小鉢一杯分の量)がベスト
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の両方の特性をもつため、便秘を解消する上では重要な成分であるレジスタントスターチですが、あくまでも、普段の生活で不足した食物繊維を補うという意味で食べる事が大切です。
具体的な量としては、1日に100グラム(小鉢一杯分の量)を目安に食べるようにしましょう!また、人によっては、少しの量でも便通が良くなったり、中には下痢になったりすることもあるため、自分の体に合う量を調節してくださいね。
腸内が荒れる!?食べ過ぎによるデメリット
早く便秘解消したい!という思いから、ついつい長芋を食べ過ぎてしまう事があるかもしれません。
長芋を食べ過ぎた場合は、お腹が緩くなり下痢になってしまう事が考えられますが、下痢を繰り返してしまうと、腸内の細菌(善玉菌など)を体外に排出してしまう事になりますし、腸の中が荒れる原因にもなってしまいます。
そのため、便秘解消を実現し、さらに腸内環境が整った状態を保ちたい場合は、前述の通り1日に100グラムを目安に、長芋を食べるようにしましょう!
作り方は簡単!便秘解消に役立つ長芋(山芋)の簡単料理
長芋と組み合わせる事で、便秘解消だけでなく、健康にも良い影響を与えてくれるような簡単レシピを紹介します!
1.快腸!トロトロ長芋グラタン
レンコンのシャキシャキ感と、甘辛いタレが非常によく合います!また、便秘を解消するためには「たんぱく質」も重要な栄養素です。食物繊維だけでなく、豚肉でたんぱく質もしっかり摂取していきましょう!
【材料】(2人分)
<具材>
長芋・・・100g
鶏もも肉・・・100g
玉ねぎ・・・・1/2個(100g)
ニンジン・・・1/5本(約30g)
しめじ・・・50g
ほうれん草・・・1/2束(100g)
とろけるチーズ・・・2枚
<調味料>
生姜(すりおろし)・・・5g
醤油・・・小さじ1杯
酒・・・大さじ1/2杯
塩・コショウ・・・少々
○ホワイトソース用
プレーンヨーグルト・・大さじ3
マヨネーズ・・・大さじ1
味噌・・・小さじ1
塩・コショウ・・・少々
【作り方】
①長芋はすり下ろし、ホワイトソース用の調味料(プレーンヨーグルト、マヨネーズ、味噌、塩胡椒)をボウルで混ぜ合わせ、長芋も加えて混ぜます。
②玉ねぎは細切り、ニンジンは2mm幅のいちょう切り、しめじは石づきを取り、小房に分けます。鶏肉は1口大に切り、ほうれん草は下茹でして水気を絞り、5cm幅に切ります。
③フライパンに油をひき、鶏肉・玉ねぎ・ニンジン・しめじを中火で3分ほど炒めます。
④火が通ったら、ほうれん草と残りの調味料(生姜、醤油、酒、塩)を加え、全体になじんだらグラタン皿に入れ、上から①のソースをかけます。
⑤最後にとろけるチーズをのせて、オーブントースターで6~8分間加熱し、こんがり焼けてきたら完成です!!
2.長芋の味噌マヨ炒め
レンコンのシャキシャキ感と、甘辛いタレが非常によく合います!また、便秘を解消するためには「たんぱく質」も重要な栄養素です。食物繊維だけでなく、豚肉でたんぱく質もしっかり摂取していきましょう!
【材料】(2人分)
<具材>
長芋・・・約200g(1/2本)
<調味料>
マヨネーズ・・・大さじ1杯
○合わせ調味料
みりん・・・大さじ1/2杯
味噌・・・大さじ1杯
めんつゆ・・小さじ1/2杯
【作り方】
①長芋はよく洗い、食べやすい大きさの棒状に切ります。(4~5cmの拍子木切りのイメージ)
②合わせ調味料(酒、みりん、醤油、味噌)を、味噌を溶かすように混ぜておきます。
③フライパンにマヨネーズ、長芋を入れ、全体を絡めてから火をつけます。
④ジュ~と音が鳴ってから5~6分炒め、焼き色がついたら、合わせ調味料を加えて混ぜたら完成です!!
3.長芋の梅ポン酢和え
レンコンのシャキシャキ感と、甘辛いタレが非常によく合います!また、便秘を解消するためには「たんぱく質」も重要な栄養素です。食物繊維だけでなく、豚肉でたんぱく質もしっかり摂取していきましょう!
【材料】(2人分)
<具材>
長芋・・・150~200g
梅干し・・・3個
大葉・・・2枚
<調味料>
ポン酢・・・大さじ1杯
【作り方】
①長芋は皮をむいて、厚さ8㎜と長さ4㎝の大きさに切ります。大葉は千切りにしておきます。
②梅干しの種を取り除いて、包丁で細かく刻みます。
③ジップロックなどの袋に、長芋、梅干しとポン酢も加え軽くもみ、冷蔵庫で半日おきます。
④半日経ったら、器に盛り付け、仕上げに千切りにした大葉を乗せれば完成です!!
4.長芋とレンコンの甘辛炒め
レンコンのシャキシャキ感と、甘辛いタレが非常によく合います!また、便秘を解消するためには「たんぱく質」も重要な栄養素です。食物繊維だけでなく、豚肉でたんぱく質もしっかり摂取していきましょう!
【材料】(2人分)
<具材>
れんこん・・・約100g
長芋・・・5cm (約150g)
<調味料>
醤油・・・大さじ1杯
酒・・・大さじ1杯
オリゴ糖(又は砂糖)・・・小さじ1/2杯
みりん・・・大さじ1杯
白ごま・・・適量
ごま油・・・大さじ1杯
【作り方】
①れんこん、長芋は一口サイズに切り酢水につけておきます。
②フライパンに胡麻油を熱し、れんこんを炒めます。レンコンが透き通ったら長芋、醤油、酒、オリゴ糖を加えます。
③全体に火が通ったら、みりんも加えてフライパンを揺すり、照りが出るまで炒めます。
④器に盛り、仕上げに白ごまを振ったら完成です!!
<その他の便秘解消に効果的なレシピ>
宮崎伸之輔
宮崎 伸之輔
プロフィール
オンライン上で「毎日1回便意が来るカラダを作る」をコンセプトに、「食事」「トレーニング・マッサージ」「ストレスケア」の3点を、お客様1人1人に合わせてオーダーメイドで作成し徹底的にサポートする事で、便秘を根本的に解決する専門家として活動している。
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